環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2013年2月27日水曜日

麦わら帽子ー矢内原充志さん

確か去年の秋頃だったと思うけれど、洋服の展覧会が青山スパイラルビルであった。

矢内原充志さん(デザイナー)の個展。

そこで出品されていた、麦わら帽子を購入した。
実は、その展覧会に出る前から目をつけていて、欲しいな〜と思っていた。

頭を包む頂部を”クラウン”と言うらしいのだけど、懐が深くて、冠ったときにポテッとした感じ。ツバはそれほど広く無い。
例えば・・・子供がヘルメットをした時のような、重心がやや上になった感じ?
矢内原さん曰く、スーツにもあうような麦わら帽子にしたかった・・・とのこと。

今日、その帽子が届いた。

なかなかナイスな帽子で、出かける用事も無いのに冠って、鏡を覗き込んでいる。
画:hiromichi yasuda

2013年2月26日火曜日

逃げ地図ー日建設計

JIAセミナーの「東日本大震災の現在」の最後は、日建設計の若手有志が作った、「逃げ地図」の話だった。

「逃げ地図」

大地震が来た時、その後の津波から如何に「逃げるか」を示した地図のことで、道路ごとに避難場所まで何分かかるか?が示されている。
とてもシンプルなもの。

今回の震災では、防災研究の片田敏孝さんがTVで「とにかく、自分だけでも逃げろ」と主張していたのが、今も印象に残っている。

「逃げる」という響きは、どこか臆病な感じや利己的なニュアンスがあってアレだけど、時と場合によっては最も大切な事かもしれない。

命を守る、シンプルな行動。
画:hhiromichi yasuda







2013年2月25日月曜日

そば屋で嗜む お酒

先日、神田やぶそばが火事になった。
僕は、あまり関心はなかったのだけど、ニュースで火災前のインテリアを見た時、
そこで一度食べている事を思い出した。
改めて、再建される事をお祈りしています。

そばやと言えば、先日、知合いに連れて行ってもらった。
そばも美味しかったのだけど、そば屋で呑む酒が良かった。
実は、そば屋で呑む酒はそれが初めて。(ビールはあったかもしれないけど・・・)

おっ!?おめーさん、いける口かい?
これが、江戸っ子ってーの?


そば屋で呑む酒は、「粋」で「通」で、その雰囲気にも酔ってしまった

焼酎を頼んだら、そば湯割り。
これまた美味しいからグィグィいってしまって、おまけに奢りで・・・なんともいい気分になってしまった。
画:hiromichi yasuda 










2013年2月23日土曜日

横濱建築祭

今日と明日、横濱建築祭]が、みなとみら線馬車道駅コンコースで行われる。
学生の卒業設計、横浜近代建築展、街歩きなど見所満載。

僕も、神奈川会員建築展のコーナーで、建築家の黒田さんと一緒にやった釜石の復興住宅案を出展している。

ところで、馬車道駅は(こう言っちゃナンだけど)だだっ広いコンコースで普段はちょっと殺風景。

ただ、今朝見た風景は少し違っていた。学生達の展示準備やら係員の作業、既にセットされたパネルを加えたイベント会場としては、なかなかいい空間。

建築空間というのは、使われている状態や人の活動が加わるとグッと良くなる場合があるけれど、今回はそれだった。

会場:みなとみらい線馬車道駅コンコース
会期:2 月 23 日 13:00 ー 19:00  24 日 10:00 ー 18:00 
画:hiromichi yasuda

2013年2月21日木曜日

東北復興ー大月敏雄さんの話2

JIAセミナー、大月さんの話の後半。
(前半は 東北復興ー大月敏雄さんの話

釜石市の平田地区(へいたちく)に大月さん達のチームが設計した仮設住宅がある。
僕も一度訪れたが、住戸同士の入口を対面式として、入口にはデッキを張って屋根がついている。バリアフリーだし、玄関先で立話が出来るようにもなっている。
勿論、それだけでなくエリア全体では医職住にも配慮されていて、店舗やクリニック、食堂などがあった。
(医職住・・・・東北復興ー大月敏雄さんの話 参照)

ところで、象徴的なエピソードを一つ紹介してくれた。
平田の仮設住宅は公園を敷地としている。一般的に公園内には店舗は建てられない。
仮設住宅は建てる事が可能だけれど、店舗やクリニックを作るのに議会を通し条例を変えて確認申請を提出して・・・・などの手続きが必用になる。
そうこうしているうちに、店舗などの建設が大幅におくれてしまったそうだ。

またしても法律の壁。

ところで今回の大月さんの話はとても示唆的で、行政に復興の提案をする際の心得が幾つか含まれていた。

まず、法律(建築基準法以外も)をしっかり理解した上で提案する事。次にお金をどこから調達するか理解した上で提案する事。
この二つはとても重要で、どんなに素晴らしい計画でも行政は呑んでくれない・・・というか、それは行政にとっても大きな壁だということ。

建築家が住民の為の計画案を持っていっても、なかなか相手にされないのはそんな理由もある。
最前線の現場で働いている行政の人達は多忙を極めているから。

いろんな意味で、混乱している時には見えなかった部分が少しずつ見えてきた。
最前線で働いている人達は本当に頭が下がる思いだが、僕も何か役に立てればと真剣に思っている。
画:hiromichi yasuda


2013年2月20日水曜日

東北復興ー大月敏雄さんの話

JIAセミナー、シリーズで行われてきた「東日本大震災の現在」の2回目。
今回は、東京大学で建築計画学をされている大月さんの話を聞いた。

復興の抱えている問題を多岐に微細に話して頂いたので、イロイロな疑問が解けた気がした。

とてもいい話だっので、少し長くなるけど記述しておこうと思う。
(僕の備忘録も含めて)

冒頭、まず予備知識として、明治の火災による100年前の復興住宅、90年前の関東大震災後の復興計画、から話が始まった。


当時の復興住宅(仮設住宅や関東大震災後の同潤会アパートなど)の特徴は、復興住宅「だけ」でなく、医職住(衣食住にもじって使っていましたね)があったという。

つまり、現在の仮設住宅のように住戸「だけ」が並ぶ環境ではなく、託児所、共同風呂、授産所、診療所、店舗など生活をフォローする施設が併設されていたという。

では、なぜ、阪神淡路大震災や東日本大震災(今回は一部改善されたけど)では、住戸「だけ」が並ぶプレファブの風景になってしまったかというと、戦後に制定された「災害救助法」(S22)にその問題があったという。

その法律によって、予算が仮設住宅「だけ」に使用される道筋ができてしまって、
他の施設を建てようにも、予算がつかない仕組みになってしまったのだと。

(ちなみに、住戸「だけ」が並ぶ仮設住宅にどんな問題があるか?というと、独居老人の孤独死とか、コミュニティの不足による鬱状態とかいろいろな問題を引き起こしている)


ということで、以上は問題点の「ほんの1例」

まだまだ多くの課題があるが、その幾つかを原因も含めて丁寧に話してくれた。

次回は、コミュニティが専門の建築計画学者(大月さん)が、なんで歴史や法律や予算の問題、基本となる国の制度まで立ち入らないとダメだったか?と言う話をしよう。





画:hiromichi yasuda







2013年2月19日火曜日

出版にまつわる話

どうも、ここ数日、出版にまつわる作業というか、本に関わる出来事が多い。

一つは、数年前エクスナレッジから出た本が、今度はオールカラーで再出版する事になって、その作業。もう一つは新刊だけど、やっぱりエクスナレッジからもうすぐ出る本の作業。どちらも横浜の友人建築家達との共著。
それ以外にも雑誌の編集をちょっとお手伝いしたりとか。

遠目に見ても思うけど、編集の人は、そりゃあもう大変。
本を読むのは好きだけど、裏でこんなに苦労をしていると思うと・・・・
ただ、ただ、頭が下がります。


画:hiromichi yasuda




2013年2月18日月曜日

初めて新宿御苑に行く

昨日は、日大の山崎さんの主催する日本造園植物研究会に参加した。
といっても、公園や緑地をめぐる散歩の会で、昨日は新宿御苑を歩いた。
まだちょっと寒いけれど、久しぶりの運動と目の保養になった。

ところで、そこで見た「ラクウショー」という樹木が面白かったので紹介します。
主に北米に自生するスギ科の樹木だけれど、大きいものは高さは50mにも達するという。

その樹木の周りに、ニョキニョキ変なものが生えている。

鍾乳洞のツララを逆さまにした様なものだけど、樹木の周りに自分の縄張りを張ったような、おかしな空間を作る。
「気根」と言うらしい。

何の為にこんなモノが?・・と樹木医の新井さんに聞くと、根が呼吸をするためだとか。
そのため、ラクウショーは、沼地に多く自生するのだそうだ。

自然の造形が、人間が作ったものよりクリエイティブだったりすることがある。

画:hiromichi yasuda

ちなみに、ラクウショーは水に強いので、建材として外壁やテラスデッキに使えるとか。
今度、切りにこようか・・・・といけない事を考えてしまった。





2013年2月16日土曜日

上海のドイツ人建築家による日本私観

昨日、来日した友人のドイツ人建築家(奥さんは日本人)と、僕の元ボスとで夕食を共にした。
ノッポの彼は、顔がちっちゃい典型的な西洋人。
現在、上海で仕事をしている。

ところで、彼が興味深い事を言っていた。
最近見た建築雑誌での感想。
「近頃の日本の建築は、ソフトで、マイルドで、リトルな印象ですが・・・何故ですか?」

なるほど・・・上手い事言うな・・・

確かに、中国で仕事をしている彼から見ると、最近の日本の建築は穏やかで控え目で小さく映るのかもしれない。

不況が長引いたうえに震災。
傷を負った日本で建築を作る事がどんな事か・・・指摘されたような気がした。
画;hiromichi yasuda


2013年2月14日木曜日

高校の友人2


高校時代に水泳部だった友人が、僕の事務所に来訪した。
一緒にやっている仕事の打合せで。

ところで、仕事の打合せもそこそこに同級生達(水泳部)はどうしてる?という話になった。
みんな元気か?

話題に昇った一人は、家族連れでインドに赴任中だとか。
FACEBOOKで、写真が見られるから・・・というので、彼と彼の家族が写っている写真を見せてくれたのだけど・・・・・

息子が、ソックリ・・・というか・・・
白髪になった彼以上に、僕らが知ってる彼だった。


画:hiromichi yasuda

2013年2月13日水曜日

年度末は忙しい

年度末はなにかと忙しい。
やっぱりみんな、今年度中にいろいろ片付けたいのだろう。

お役所の仕事は年度末で〆切り多いし、住宅も春までに完成させたいというのがあったり、ま、とにかくイロイロ集中してしまうのだろう。

と言う訳で、僕も例外じゃないみたい。
今日はちょっと[へたばった]

画:hiromichi yasuda

2013年2月11日月曜日

三連休も終わる

三連休、なんだかんだで仕事をしてしまった・・・

と、そうは言っても、何となく余裕があった。
午前中はゆっくり過ごしたり、あるいは仕事を早めに切り上げて読書の時間を作ったりと、自分なりに3連休を楽しんだ気もする。

9日は、友人建築家の居る三島まで行って打合せ。
ポカポカした陽気の中で、でっかい富士山を見てきた。
画:hiromichi yasuda

2013年2月10日日曜日

黄金町まち歩きツアー

個人ギャラリーや小さなセレクトショップなどがあって、歩いて回るには気持ちがいい街がある。
僕の事務所周辺も、そんな街になりつつある。

黄金町(横浜市)では、ワンデーバザールで「まち歩きツアー」をやっていて、
その内容は、ユニークな建物や広場、ギャラリー等を回る小一時間のツアーだ
しかも建築家やNPOによる分かりやすい解説付き。

今日がその日だったけれど、僕のミッションは設計者としてギャラリー(MZアーツ)を説明することだった。

穏やかな日差しで、一行にとっては気持ちのよいツアーだった・・・と思う。

まち歩きツアーの情報はこちらから↓
http://www.koganecho.net

画:hiromichi yasuda


2013年2月8日金曜日

自転車の初期点検

昨年末購入した自転車の定期点検で、いつもの自転車屋のおじさんに見てもらった。

毎度の事、手際よく、ちゃっちゃっちゃと15分ぐらい、ねじを締めたり、油を注したり。
感心しながら、眺めていた。

もう一つ、感心したのは、僅か15分の間に、3人のお客さんが代わる代わる店を覗きにきた事。パンク修理と、ミラーの取替と、世間話と・・・
おじさんの人柄で、人が集まってくる。

2013年2月6日水曜日

宮城と福島の問題点

昨日、「宮城と福島の問題点」というテーマのJIAセミナーに参加した。

宮城からは手島さん、福島からは阿部さんがパネラー。
それぞれの地元在住の建築家で、地域がかかえる問題を語ってくれた。
お互いに、プロフェッショナルとして出来る事、出来ない事をふまえて。

宮城は復興を始めるにあたって、地域の合意形成作りというか、仕組みづくりに苦心しているようで、ただ手島さんはとても元気で、精力的に、横断的に仕組みづくりに関わっている。ある意味、建築家としての職能を逸脱しているとも言えるけれど、そこまでやらないと問題の解決にはならないのだと。小さな共同体から合意形成の仕組みを作る話はとても説得力があった。

対して、福島はもっと深刻。
原発被災地では、帰りたくても帰れない。国という大きな共同体がビジョンを示さないかぎり、手の施しようが無い。その中で、建築家個人が出来る事を考えなければならないと。
茫漠とした、人間が扱えるスケールをはるかに超えた巨大な事態に直面して、どうすれば良いのか、答えの見えないなかで阿部さんは試行錯誤しているようだった。

画;hiromichi yasuda


2013年2月4日月曜日

時間を自由につかう楽しみ

外での打合せが早く終わったので本屋による。

面白い本は出てるかな?と物色すると、建築のコーナーに敬愛する建築家の論文があった。
わりと長めの。

立ち読みをはじめると、これが面白くて止まらなくなる。結局2時間ほど費やす事に。

あ、やべっ・・もうこんな時間・・・と思ったけど
「物色」して、「面白そうな本を見つけ」て、「ちょっと立読み」は、幸せを感じる一連の流れだからしょうがない
画:hiromichi yasuda



2013年2月2日土曜日

富士山が見えるマンション

友人の紹介で、マンションの内覧会に同行する事になった。
依頼は、引渡前の付添い。

内装の仕上がり具合、設備機器の扱い方法など一通り確認が終わって担当者も居なくなる。

静かになった室内からベランダに出ると、大都市東京がパノラマ状に見える。

なんとまあ・・・
日が沈もうとしている方向に、富士山が。
意外と大きな富士山で、東京でもこんなにくっきり見られるとは・・・

これから毎日のようにこの風景を見て生活すると思うと、依頼者が少し羨ましくなった。

画:hiromichi yasuda

2013年2月1日金曜日

明治大学卒業設計

今日、明治大学の卒業設計を見に行ってきた。

率直な印象として、面白かった。

何人かの学生の問題意識、考えていることがとても興味深かくて、
リアリティがあったような気がする。
僕が気になった子は女性が多かったのだけど・・・
能力と言うより、社会的境遇が関係しているのだろうか?
それとも、物事を具体的に考えるのは女性特有なのか?
それとも・・・・タマタマかしら・・・???

卒業設計の場合、えてして抽象的な思考にハマってしまうことがあるのだけれど、話を聞いた数人は自分の等身大の言葉を持っていて、話が具体的だった。
お疲れ〜!
画:hiromichi yasuda