環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2013年5月31日金曜日

打合せが出来る場所

以前、実家に帰ったとき、[ある喫茶店]で友人3人と街の未来について長時間話をした。

その時出たのが、アフター5に「打合せをするスペースが無い」という話だった。公共施設は夜になると閉まっているから、カフェやファミレスで打合わせる事になる。

「気軽に集まれるスペースがあったらいいのにね。ニーズはあるはずだから・・・」と。
実際、[その喫茶店]にも、我々以外に長時間、話し込んでいる集団がいくつかあった。

先日、建築家の飯田善彦さんが運営しているカフェ「Archiship Library & Cafe」で建築家仲間の打合せをした。


そこはガラス張りで、街に開いている。10人から15人程度がテーブルを囲んで話が出来る。プロジェクターで映像も使える。ドリンクも出てくる。(勿論有料だけれども)
会議やレクチャーで使えるから、昨日・一昨日と2夜連続で使わせて頂いた。

実は、そんなスペースをどこの街も必用としているのではないか?
画:hiromichi yasuda

2013年5月30日木曜日

後藤武さんの話

昨日、プライベート企画の建築レクチャー
ディテールの建築思考〜近代建築の思想を読む〜」(講師-後藤武)
Archiship Library & Cafe】で開催された。

個人的には、勉強会の延長で、でも少しパブリックな感じがいいな〜と思っていたのだけど、丁度いい具合のレクチャーだった。

後藤さんの話もさることながら、マイク無しでも声が届く部屋だと、20人程度が適正で、
結果的に、聴衆の一人一人の意見や感想を聞くこともできる。
途中ドリンクのサービスがあってリラックスした雰囲気もあり、あっという間の2時間だった。

空間(会場)・時間(2時間)・講師(後藤さん)・聴衆、それらが上手く絡まって場の雰囲気は作られる。そのバランスが大切なのだろう。

企画を含めてリラックスして参加出来たから、チャンスがあったらまたやろう。
画・写真:hiromichi yasuda 

2013年5月27日月曜日

建築の見学会(八王子2)

日曜日は、工学院大学(八王子キャンパス)まで、建築見学に出かける。
そういえば、先週も八王子。2週・連チャンで八王子建築見学だ。

今回は、福島さん+冨永さんが設計した弓道場とボクシング場。
福島+冨永さん設計の建物は、いつも丁寧に作っている印象。

一般的に、身体に近い物ほど設計の精度、解像度が高くなる。土木→建築→インテリア→家具・・・etc
だから、建築の世界では、家具を作る職人は建築を作る大工より精度が一桁高い。逆に道路や橋は建築より精度が一桁低い。

福島+冨永さんの作るモノは、建築と家具の中間のような、肌理の細かさというか、繊細さのようなものを感じる。僕にとっては、そこが彼等の魅力なんだけど。

見学が終わった後、友人(高橋堅君)と八王子で飲んだ。
建築の話もさることながら、もっぱら話題の中心は「今後、どう生きるか?」
ちょっとディープすぎるので、このへんまで。

画:hiromichi yasuda

2013年5月25日土曜日

今日はちょっと多めに仕事した。

今日はちょっと多めに仕事した。
頭を使ったから、オーバーヒート気味で、疲れた。
ブログも短く終わり。
ゆるしてケロ。
画:hiromichi yasuda


2013年5月24日金曜日

あさいち

朝のNHKの番組で、高橋優という歌手が出ていた。

この人、以前もNHKに出ていて、「めんどくせぇ」と絶叫しながら、でもどこか寂しげな歌が妙に気になって覚えていた。

どこか、グっと迫るというか言葉のリアルな感じが耳に残って、他の歌も聞いてみたくなる人だった。

画:hiromichi yasuda

2013年5月23日木曜日

大工の差金(サシガネ)

先日、木族ネットワーク2013,木造建築に関わる設計(デザイン)講座に参加した。

大工棟梁の苔原さんも来られていて、伝統的な貫や屋根の納まりについて、原寸大のモックアップを交えて実践してくれた。

特に僕が興味深かったのは、木組みの屋根。
例えば、3寸勾配(約17°)の角度で屋根がかかる場合、隅木(*1)は、もうちょいと角度が緩くなる。
桁や垂木、母屋・隅木等の木材は「噛み合わせ」て組むから、角度が複雑になると刻みはさらに複雑になる。

設計はパソコンがあるから、コンピューターで角度や長さは”チャチャッ”と出るけど、大工さんは、差金(サシガネ)一本でそれをやっている。
不思議でしょうがなかった。

以下解説。
話はややこしくなるので原理だけ言うと、
差し金には表目と裏目があって、裏目が√2倍で目盛りが刻んである。
「表目」での垂木の長さと角度を出して、「裏目」で隅木の長さや角度を出す。
45°で交わる垂木隅木は、表目・裏目を組み合わせて、”チャッチャッ”と角度と長さを決めて、墨付け(*2)が出来ると言う訳。
以上が原理で、その組合わせを複雑にすれば、屋根架構の墨付けは出来ると言うことだ。
 画:hiromichi yasuda

(*1)垂木方向に対して45°に取付けられ角に向かう部材
(*2)材料を加工する前に、墨つぼと墨さしを使って木材に印を付ける作業。


2013年5月20日月曜日

プライベート企画の建築レクチャー

個人で本を出したいと思ったら、アマゾンで作って出版する事ができる。しかも世界市場にむけて「いとも簡単」に

あるいは、手元にある物を売りたかったら、ヤフオクで売る事ができる。しかも日本市場にむけて「いとも簡単」に。

いろんな事が「個人」で出来る時代になった。
そのうち、個人で[独立国家]が作れるんじゃないかしら??・と思えるほど、個人でいろんな事がやれる時代が来た。

今度、建築のレクチャーを企画することになって、講師は友人建築家の後藤武さんだけれど、これも情報発信の環境が整ったから容易になった。面白そうな話があれば、瞬時に企画して容易に実現出来る。

大学とか、会社とか、なんとか団体の企画じゃなくて、非常に個人的なプライベートな企画でも、メールやその他SNSを駆使すれば資金をかけずに広範囲に情報発信できる。

ちなみに、後藤さんは彰国社からディテールの建築思考 近代建築の思想を読む』という本を出版したばかりで、その内容についての瑞々しい講演会。

*興味のある方は、↓こちらまでメールください。5/29夕方に、横浜でやります〜
kannkyo@lily.sannet.ne.jp 
(ただ、人数制限があるので途中で〆切ります。あしからずご了承ください)

2013年5月19日日曜日

建築見学の日曜日

今日は事務所での模型製作も早々に終えて、天気の心配をしながらも八王子(豊田)まで出かける。(建築見学)

豊田の駅を降りると、途中、URの団地内に「多摩平の森」があって、緑の多いいい環境になっていた。
針葉樹が中心で(たぶん桧?)その他、ユリの木、ケヤキ、イチョウ等々、なかでも、株立ちのエゴの木が丁度奇麗に花を咲かせていた。
開発から50年以上経過すると、樹木も豊かになって住むにはいい環境になる。

多摩平の森を抜けると、宮本さん(建築家)設計の歯科クリニックがあった。
外観を網でスッポリ包んでいるからずいぶん普通の建物とは違うけれど・・・・
でも、軒の高さを抑えるとか、モノトーンな外観とか、周辺環境に対して浮いていない。特別すごいぜ!というマッチョな感じが無いと言うか。
巧いなぁ・・・・

宮本さんの建築はずいぶん久しぶりに見たけれど、インテリアの程よいスケール感も含めて、居心地よさを感じた。
画:hiromichi yasuda







2013年5月17日金曜日

路上に咲いた花

事務所までの通勤途中、住宅の庭から道路にせり出して花が咲いていた。
直径3・4cm程度の花で、まだらになって、樹木の表面をほとんど覆い尽くすように咲いていた。
おまけに、道路にせり出した花は、甘い「香り」もあたりに漂わせていた。

この花、見覚えがある・・・以前、図鑑でその名前を覚えたはずだけど、出てこない。
ノド元の、ここまで出てるんだけど・・出てこない。
・・なんだったっけな〜・・めでたい感じの名前だった気がするけど・・なんだったっけ・・・・・

思い出せない口惜しさと好奇心で、後でインターネットで調べたら、、
「ニオイバンマツリ」と出てきた。
あ〜   そうそう。

画:hiromichi yasuda

2013年5月16日木曜日

子供とお年寄り

一説によると、おじいちゃん、お婆ちゃんになると幼少に戻ると言われている。
ある年齢を境に、時計が逆回転を始めるように。

先日両親と三渓園に行った時、70を過ぎた体には歩くのがキツいようで、若者とは離れて日影の東屋で休んでいた。

一方、今、子供の為の居住空間を設計していて感じるのは、子供達は、好奇心旺盛で、ニッチな空間や高低差、隙間等を好んで楽しく使う。
そして動き回る。

設計をしていて感じるのは高齢者vs子供達、これから向かうそれぞれの「未来」が違うということ。
この先、静かで落ち着いた時を過ごしていくであろう高齢者と、益々活動的になっていくであろう子供達と。

時計が逆回転を始めるということは、向かうベクトルが反対でもあるのだから。
画:hiromichi yasuda














2013年5月15日水曜日

異業種交流?

今日、仕事の打合せで、LIXILさんが「数人」で来た。
LIXILさんは一般の人には馴染が薄いかもしれないけど、INAXさんと、トステムさんと、新日軽さんと、サンウェーブさんと・・・と、まあ建築系の異業種が合併した会社だ。

「ご専門は?」
「窓です」「ベンチです」「便器です」
みたいな感じで、今まで別々に打合せていたのが、そろっているから、あっちこっちに話が飛ぶ、何とも不思議な打合せになった。

でも、考えてみると異業種の人がいると、いろいろ便利。
例えば・・・・住宅を新築しようと考えている人にとっては、
銀行員、不動産、設計士、工務店、司法書士、会計士、親(出資?)
が、一同に介して打合せが出来たら・・・
スムーズだろうなあ・・・・

画:hiromichi yasuda

2013年5月13日月曜日

母の日

家族で熱海ー横浜を巡る旅。
70を過ぎた両親と、兄弟、義兄弟、甥、姪、その連れ合いまで含めて、総勢12名が熱海の旅館に集合した。
義兄の粋な計らいで、昨日・一昨日と楽しい旅になった。

ところで、昨日はちょうど母の日。
実は、今まで、母の日にカーネーションを渡した事が無かった。

今とは違って、親世代にとっては「母の日」が馴染が薄いだろう、とか、お互いに照れくさいだろうとか、忙しいとか、離れているとか・・・理由を上げたら幾らでも出来るけれど・・・確かな理由はなくて・・・ただ、何となく、しなかった、という感じか。

今回、義兄が旅行の計画をしてくれたのが良い引き金になった。
赤く、気恥ずかしいまでに装飾された鉢の、真っ赤なカーネーション選んで母に渡した。

素直に、嬉しそうな笑顔だった。
もっと早く渡しておけば良かった。。。。
画:hiromchi yasuda












2013年5月9日木曜日

シロツメクサの花が咲き乱れていた。

数年前に竣工した住宅の定期点検に出かけたついでに、昨年竣工した共同設計のトイレをにも立ち寄る。

公園の一角にあるトイレは、竣工時と変わる事無く佇んでいたが、
ただ、竣工時と異なっていたのは、建物周辺がシロツメクサ(クローバー)の花が咲き乱れて、ちょうど絨毯のようにフカフカした丘になっていた。

幼い子供、とそのおばあちゃん(らしき人)が、その絨毯の上で
穏やかな日差しの元、とても、心地良さそうに遊んでいた。

気持ちの良い場所は、子供でも(だからこそ?)素直に感じるのかもしれない。




2013年5月8日水曜日

「世界で一番やさしい建築材料」出版

「世界で一番やさしい建築材料」(発行所エクスナレッジ)
が出版された。共同執筆だが、僕も出版に関わっている。

4年前にも同じ内容の本が出ていて、こんどのは改訂版。
若干の内容の修正と、何より写真や図面がカラーになっていて誌面が華やかになった。
設計の人にも施工の人にも読みやすい内容になっている。

僕が担当したのは、コンクリートの章で、その為にコンクリート打設の現場まで取材に行ってきた。

生コンは、次から次にミキサー車で運ばれてきて、現場は時間との勝負。
(なにせ、コンクリートってのはどんどん固まっていくから)
よほどの事が無い限り、工事を途中でストップする事は無い。
その為に、職人の配置や移動はあらかじめ計画されていて、みな秩序だって動く。

日本の「コンクリート打放し」が奇麗なのは、型枠大工の技術にもよるけれど、現場での職人の動きが「組織化」されているのも大きな理由の一つだ。

area045共同執筆







2013年5月6日月曜日

連休の山登り

連休中、実家に帰って山登りに行った。
姉と義兄の3人で。

山登りといっても、三浦雄一郎さんのようにエベレストに登る様な「登山」ではなくて、ハイキング。(あたりまえか・・・)

そう言えば、山登りって、「登山」・「トレッキング」・「ハイキング」「お散歩」まで、イロイロあって、かなり意味が異なる。


学生の頃大学に「山岳部」と「ワンダーフォーゲル部」(以下ワンゲル)があって、何が違うのか聞いたら、「山岳部」が過酷な登山をめざしているのに対して、「ワンゲル」はちょっと軟弱な登山って言っていた。(正確な定義はさておき・・・・)

実家の近くに、湖西連峰という標高400mぐらいの山並みがあって、そこがハイキングコースになっている。たった400m?と言っても、森の中を掻き分けながら急な坂を登るから息が切れる。
4・50分の後、やっと山頂にたどり着く頃には、今まで鬱蒼と茂っていた樹木は無くなり、振り返ると湖西の町とその先の太平洋が一望出来る風景に出会う。
ああ・・・・これか。

なぜ人が山登りをするのか、腑に落ちた瞬間。
画・写真:hiromichi yasuda