環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2012年8月20日月曜日

沢田マンション[沢マン]高知

高知県にある沢田マンション。通称[沢マン]
建築見学で訪れたのだけれど、今回はちょっと様相が違うというか・・・「軍艦島マンション」とも言われる、トンデモ建築だった。

この建築、知る人ぞ知るマンションだけれども、その建設経緯がユニーク。
今から約40年前、「沢田さん」が突然コンクリートのマンションを建てたいと思い立って、家族の助けを借りながら素人同然のセルフビルドで、60戸、100人程度が住むマンションを造ってしまった。

素人が作っているので、プロの目から見ると危なっかしい所はいっぱいある。
でも、同時に、ビジネスライクに作られたマンションと違って、施主(沢田さん)の思いがいっぱい詰まった建物でもある。それが至る所でわかる。

例えば、最上階にある木工所やクレーン。工事が始まって40年、未だ工事中の様相。やりたい事は自分たちでやる、という独立精神。
例えば、テラスや屋上にある庭園。そこに池を作って鯉を飼って、緑も豊かな庭になっている。

[楽園]・・・沢田さんは既に亡くなってしまったけれど、沢田さんにとっての楽園であり”生きた証”が[沢マン]だったのではないか。


画:hiromichi yasuda



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